【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
相変わらず笑い続ける私をちょっと睨ん
だあと、向坂くんは口の端を上げて、意
地悪さたっぷりの笑みを浮かべ……
「この兎が泣いてたら、澪と同じなのに
な」
と、その笑みに匹敵するくらいの意地悪
を言ってきた。
……本当に、意地悪。
「だって……泣かしたのは向坂くんだよ
?」
「俺のせいかよ。お前、異常に俺にビビ
りすぎなんだって」
そんなこと言ったって───……。
出会いは最悪だったし。堂々とタバコ吸
ってるし、睨むと怖いし……。
あ、この人いい人だ、って印象、ぜーん
ぜん無かったんだもん。
……そういえば、とあることを思いだし
。
「おわっ!?」
小麦粉を袋から取り出していた向坂くん
に後ろから抱きつくと、向坂くんが珍し
く声を上擦らせた。