【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~




友人に知られるのと、家族───しかも
親に知られるのとでは、恥ずかしさが全
く違うから困る。



というか電話の向こう側で、お袋がニヤ
ニヤしてる様が安易に想像出来たし、そ
れがまた俺の羞恥心を煽る。



「誰に聞いたんだよ」


『んっと、櫂斗(かいと)からよ。兄ちゃ
んに彼女出来たっぽいって。ケータイ弄
るときにニヤニヤしてるんですって、あ
んた。


それに、最近雰囲気も柔らかいって言っ
てたわよ』



櫂斗っていうのは一番上の、弟。



……目敏いなコノヤロ。ていうかニヤニ
ヤしてんのか俺。



一歩間違えたらただの危ない人だろ。



『そんで、今どこに居んのよ』


「……彼女の家」



至極簡潔にそう伝えれば、何がそんなに
嬉しかったのか、"きゃーっ!やるわね"
とまた色めき立った。



つかれる。つか、送話口で甲高い声をだ
すのはやめてほしい。




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