【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
そう言えば、ソイツは少しだけ口角をあ
げて、余裕そうに、どこか愉しそうに笑
う。
「いや?むしろ歓迎だよ。あのこに彼氏
が出来るのは」
……は。
俺はてっきり、俺が彼氏なのが気に食わ
ないんだと思っていたから、思わず怪訝
な表情を作ってしまった。
そんな俺に、ソイツは近寄ると、俺の肩
に手を置き、
「そっちの方が、壊し甲斐があるだろ」
と、とてつもなく低い声で、囁いた。
───コワシガイガアルダロ?
まるで自分に向けられたかのような錯角
に陥り、なんの身動きも取れなくなり。
それってどういう意味だ、と訊くことが
やっと出来る状態になったのは、もうソ
イツが眠ってからだった───……。
何を、考えているんだ。