【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
「俺はね、性格がひん曲がった、最低な
男なんだよ」
自嘲するように笑って見せれば、とても
悲しそうに、痛ましい表情で、澪は俺を
見つめていた。
……なんでこんな話を聞かされてまで、
同情出来んの。
「燐ちゃん……」
澪が、震える声で俺を呼ぶ。
「私のこと……殴っていいよ……」
何を言い出すのかと思えば、そんなこと
を言って、ぎゅ、と目を瞑った澪。
なんなの。やっぱりバカだ、お前。
「俺の話聞いてた?俺の逆恨みなんだよ
。お前は悪くないんだよ!」
「だって私のお母さんのせいで、燐ちゃ
んのお母さんがいなくなったんでしょ?
だったらお母さんの代わりに、私が燐ち
ゃんのモヤモヤ、受け止める。
……受け止めたいんだ。全部」
……んだよ。
お前なんか、どっちの親も死んじゃって
るくせに。
俺よりも辛かったくせに───……。