【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~




「つーか……俺は必要無かっただろ」



私と清夏さんの後ろから、面倒そうな声
を出しながらついてくる向坂くん。



そんな向坂くんに、清夏さんはニッコリ
と微笑んだ。



「荷物持ちが居ないで、どうやってお買
い物するのよ」



あれ、なんだろう。


今、清夏さんの笑顔がすごく冷たかった
ような。絶対零度の眼差しっていうのか
な。そんな感じの眼差しを向坂くんに向
けたような気がする。



向坂くんはそんな清夏さんを見ると、真
っ青になって大人しくなってしまった。



清夏さん……すごい。



「私ね、娘が欲しかったのよー!」



それなのに産まれてくるのは男の子ばー
っかり、と清夏さんは大袈裟に残念がる




だけどその口元は柔らかく緩んでいて、
きっと向坂くん達兄弟の事を、大好きな
んだろうな、と思った。



そうだよね。なんだかんだ言ったって、
自分の子供だもんね。




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