【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
有無を言わせないような視線をこちらに
向けた、威圧感たっぷりの芝崎くんと、
真っ青になりながらぶるぶると首を振っ
て私に助けを求めるかなえちゃん。
かなえちゃんを助けてあげられない心の
痛みよりも……芝崎くんに逆らう心の恐
怖の方が勝っていた私は、
「ど、どうぞ……」
と自分から差し出してしまった。
……ごめんね!かなえちゃん。
ズルズルと人気のない所へと連れ去られ
ていくかなえちゃんを見つめていたら、
後ろから、頭にポン、と向坂くんの手の
ひらが乗っかった。
ちょっと振り向けば、向坂くんが苦笑し
ている。
「仕方ない。懸命な判断だ」
「……そ、そうだよね!」
うん、そうだね!仕方ない!自分の命は
自分で守るものだもん!
「んじゃ、教室行くか」
「うん!」