【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
そんな田辺くんに、健気だねえ、と芝崎
くんは笑っていて、わかっていないのは
、私だけみたいだった。
「ま、あんまり煽ると、どこかのヤンキ
ーが暴走しかねないから、この辺にして
おこうかな~」
芝崎くんは楽しそうにそう言って、前を
向いた。
そして───……。
「もう皆、知ってると思うが……転校生
を紹介する」
そんな先生の言葉に、だっきまでざわつ
いていた室内が、水を打ったようにピン
とはりつめた。
「矢渕、入れ」
先生がそう言うと、「へーい」なんて間
延びした返事が聞こえてきて。
入ってきたその男の子に、女の子がきゃ
あ、と色めいた。
一言で言うと、かなえちゃんの言う通り
、"イケメン"だったから。
ワックスでセットされた栗色の髪の毛。
180はありそうな身長。キリッとした眉
にくっきりした二重の大きな瞳。