【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
ゴツゴツしたシルバーのドクロマークの
リングがつけられた、私よりも一回り大
きな手に握られている、ピンクのシャー
ペン。
それがあまりにミスマッチすぎて、しか
も思いの外、向坂くんが真剣そうに日誌
を書くから、少し可笑しくて。
「テメェ……何にやけてんだよ」
知らず知らずの内に、口元が緩んでいた
らしかった。
「ひっ……!ご、ごめんなさい……!」
「ひっ、ってお前なぁ。別に怒ってんじ
ゃないんだぞ、俺は」
「は、はひ……」
「ビビりすぎなんだよ、お前」
だって……今のはどう見たって、威嚇し
てるようにしか見えなかったんだもん。
「あと……、悪かったな」
「ふぇ?」
「今朝、うぜーからとか言って……言い
方が悪かったよな。あんまりお前がビビ
るから、ちょっとムカついて……悪かっ
た」
深く頭を下げた向坂くん。