【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
チラッと掴まれたうでを見ながらそう言
うと、向坂くんもそちらへ目を向けて。
「……お前、これからどこに行こうとし
てたんだ?」
やっぱり腕は掴んだままで、こちらに視
線を戻してそう尋ねてきた。
え……、手、離してくれないの?
「えと、あの……」
「あ?聞こえねーよ」
「す、す、すいません……!」
わあぁ…っ!どうしよういつもよりもど
もっちゃう。う、腕、掴まれてるから余
計に緊張しちゃう……。
「か、かなえちゃんとお出かけ……だっ
たんですけど、ドタキャンになって……
い、家に……」
「帰るのか?」
コクコクと何度も頷く私。
「ふーん……」
向坂くんはそう言うと、顎に手を当てて
、ちょっと考え込むようにしてから、