【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~




チラッと掴まれたうでを見ながらそう言
うと、向坂くんもそちらへ目を向けて。



「……お前、これからどこに行こうとし
てたんだ?」



やっぱり腕は掴んだままで、こちらに視
線を戻してそう尋ねてきた。



え……、手、離してくれないの?



「えと、あの……」


「あ?聞こえねーよ」


「す、す、すいません……!」



わあぁ…っ!どうしよういつもよりもど
もっちゃう。う、腕、掴まれてるから余
計に緊張しちゃう……。



「か、かなえちゃんとお出かけ……だっ
たんですけど、ドタキャンになって……
い、家に……」


「帰るのか?」



コクコクと何度も頷く私。



「ふーん……」



向坂くんはそう言うと、顎に手を当てて
、ちょっと考え込むようにしてから、





< 49 / 314 >

この作品をシェア

pagetop