【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
やだ……に、逃げ出したい。
こんな表情をしてる時の向坂くんは、よ
からぬ事しか考えてないから。
「言ったろ?お前の男嫌い治してやるっ
て。これもその一貫。男慣れだと思え」
「そ、そんな……!」
そんなの横暴すぎる。プライベートまで
びくびくしなくちゃならないなんて、最
悪だよ……。
それに向坂くんみたいなヤンキーさんと
歩いてたら目立つし……。
おどおどしていると、そんな私を、クス
ッと向坂くんが笑った。
「……いいこと教えてやるよ。───俺
から逃れられる方法が、ひとつ、ある」
「ほ、本当ですか!?」
思わずパアッと顔を輝かせると、ムッと
した表情を浮かべた向坂くん。
「そんなに食いつかれるのも、ムカつく
んだけど」
「あ……、ごめんなさい……」
そうだよね。いくらなんでも失礼だよね
、うん。