【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
ふわふわしてどこか危なっかしい所に、
庇護欲を掻き立てられるんだとか。
「……おい、泣き虫兎ー?」
そう声をかければ、大袈裟に肩を跳ねさ
せるこいつ。
ほんと、どんだけ俺が怖いんだか。
「……で、どこに行く?」
そう尋ねれば、泣き虫兎が顔を上げて、
俺を見つめてきた。
その時のソイツの瞳が、やけに潤んでい
て、雫が今にもこぼれ落ちそうで───
───ドキッ……。
……ん?なんだ、今の動悸……。いきな
り心拍数が早くなったぞ?
というか、それ以上泣き虫兎を見てたら
、なんだか変な気分になりそうで、フイ
ッと顔を逸らした。
「……見んなクソッタレ」
「すすす、すいません……っ」
……やべ、言い方マズッた。
「あ、あのやっぱり私、帰っ───」
「それは駄目」