【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
これは、"挨拶しろ"ってサイン。
私は、意を決して口を開いた。
「お、おはよう……ございます……」
「ん。おはよ」
私がすんなりと挨拶したのに満足したの
かそう言って椅子に座った向坂くん。
それと同時に、はあ、と息を吐き出す。
向坂くんと───男の子と喋る時はいつ
も、心臓が圧縮されたみたいになって、
息が詰まる。
それで、すっごいドキドキする。……嫌
な動悸だ。
そして、そこからはいつもと変わりのな
い時間が流れていき。
お昼休み───。
かなえちゃんの元に駆け寄ろうとした瞬
間、グイッと腕を掴まれ。
ビックリしてそちらを見ると、なんと向
坂くんに掴まれていた。
「……へ?」
「昼、付き合え」