【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
しかし、少し進んだ所で、かなえちゃん
がピタッと止まった。
それから、その顔がみるみる内に不機嫌
そうに歪んでいき。
「……アイツ……」
そう低く呟いたその視線の先には、一人
の男の子が居た。
その男の子は、向坂くんを見つけると、
ニコニコと笑いながら手を左右に振って
。
「おーい、空ーっ!澪ちゃん連れてきた
ー?」
と大声で言った。
わ、わ、私!?
向坂くんはそんな彼をめんどくさそうに
見てから、チッと舌打ちして、私の腕を
引っ張った。
それから、私の耳もとで───
「俺から離れんなよ。あと、余計な事も
言うんじゃねぇ。言ったら───」
と、そこで向坂くんは言葉を止め、どう
なるかわかってんだろうな?とでも言う
ように私を睨んできた。