【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~




しかし、少し進んだ所で、かなえちゃん
がピタッと止まった。



それから、その顔がみるみる内に不機嫌
そうに歪んでいき。



「……アイツ……」



そう低く呟いたその視線の先には、一人
の男の子が居た。



その男の子は、向坂くんを見つけると、
ニコニコと笑いながら手を左右に振って




「おーい、空ーっ!澪ちゃん連れてきた
ー?」



と大声で言った。



わ、わ、私!?



向坂くんはそんな彼をめんどくさそうに
見てから、チッと舌打ちして、私の腕を
引っ張った。



それから、私の耳もとで───



「俺から離れんなよ。あと、余計な事も
言うんじゃねぇ。言ったら───」



と、そこで向坂くんは言葉を止め、どう
なるかわかってんだろうな?とでも言う
ように私を睨んできた。





< 71 / 314 >

この作品をシェア

pagetop