【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
向坂くんも知らなかったらしく、目をぱ
ちくりさせながらそうかなえちゃんに尋
ねた。
向坂くんが驚くなんて、珍しい……。
向坂くんに訊かれたかなえちゃんは、バ
ツが悪そうにそっぽを向いた。
「……認めたくないけど」
「あはは。そんな嫌がらなくても~」
「うるさい女好きっ!」
ケラケラ笑う芝崎くんに、キッ、と睨む
ようにしてそう言ったかなえちゃん。
そんなかなえちゃんの瞳は、どこか悲し
気で、苦しそうだった……。
「言っとくけどね、あんた、澪に手出し
したりしたら、タダじゃおかないんだか
らね!」
「わかってるって。空のお気に入りなん
かにそんなことしたら、殺されるし」
お、お気に入り……?
きょとんと首を傾げていると、向坂くん
が不機嫌そうに、気にするなと言ってき
た。
「そういえばお前ら、昼飯は?」