【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
そんなかなえちゃんに、私―――園田澪
〔そのだみお〕は、苦虫を噛み潰したよ
うな表情になってしまう。
「かなえちゃん、変だよ……。羨ましい
なんて、絶対可笑しいもん。だって私は
こんなに嫌だって言ってるのに」
「そりゃあ、澪は嫌かもしれないけどさ
ぁ」
そうこうしている内に、食堂について、
かなえちゃんは手際よく、Aランチの食
券ボタンを押す。
かなえちゃんは決まっていつもAランチ
で、高校に入学して二ヶ月、未だにそれ
以外を頼んでいるのを、私は見たことが
ない。
私だったら飽きちゃうなぁ、なんて思い
ながら、サラダうどんの食券を買う。
食券をおばちゃんに提示しながら、かな
えちゃんは話を続けた。
「―――でもさ?それってさ、澪が男嫌
いだからじゃないの?」
「ん……。それも、そうなんだけど…」
でも、それだけじゃないんだもん。
Aランチとサラダうどんがほとんど同時
に作り上げられて、私たちはそれを受け
取り、空いてる席に座った。