【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
言ったのは向坂くんでしょう?
そう言おうとした私の言葉がわかったか
らなのか、向坂くんはちょっとムッとし
たように眉を寄せた。
「それは女の泣き虫兎の場合だろ。俺に
とっちゃこんくらい屁でもねぇ」
そう言いながらすたすたと歩いていって
しまう向坂くん。
ん?今、バカにされた?心配された?
よくその言葉の意味も汲み取る事が出来
ないまま、慌てて向坂くんの隣に並ぶ。
「でも、私も頼まれたんですから……、
私だって持ちます!半分貸してください
!」
はい、と両手を差し出せば、めんどくさ
そうにそんな私を見下ろして。
「……んじゃあお前はこれ持って」
向坂くんはそう言うと、私にバッグを放
り投げてきた。
「え、でも……」
これじゃ半分の量に見あわないよね、絶
対。