【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
「あの……持たせてしまってごめんなさ
い」
そして、そう言ってからバッグを差し出
すと、向坂くんはそのバッグを受け取り
、
「ありがとうのが、嬉しいんだけど」
と不機嫌そうに言った。
「……え?」
「だーかーらー、ありがとう、の方が、
嬉しいんだけど?」
小さく声を洩らして首を傾げると、私の
顔を覗きこんできた向坂くん。
急に近づいてきた向坂くんに、声になら
ない悲鳴を上げた。
「……ほら、早く」
い、言えってこと……?
早く、ともう一度促されて、口を開きか
けたとき。
「───あんまり、俺の大切な子を、苛
めないでくれる?」