【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
「でもね、私……私、男の人の中でも、
特にふ、不良さんが苦手なんだもん…」
「あーんなイケメンでも?」
あーんなイケメン、っていうのはきっと
、私の隣の席の彼を指してるのだろう。
だけど思い出されるのは、ドクロの指輪
とか、幾つものピアスとか、あの金髪に
ちょっと混じった赤い髪の毛。
思わずぶるぶるっと顔を左右に振った。
「か、顔は関係ないもん……」
イケメンだろうがなんだろうが、怖いも
のは怖いし、嫌いなものは嫌い。
小さな頃からずっと、それだけは変わら
なかった。
カッコいいからって、恐怖が緩和される
訳でも、なんでもない。
そう言う私に、かなえちゃんはフーッと
ため息をつく。
「もったいないなぁ、澪」