戦国姫†絶対零度の雪姫†
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懐かしい、夢を見た。
東雲 出雲。
私の、初恋の少年。
五年前に死亡した、年上の幼馴染。
私は、何も出来なった。
何も、何も。
「雪姫様。お時間でございます」
家臣の声が聞こえた。
ああ、もう時間か。
「今、行く」
「かしこまりました。雪姫様」
部屋着の着物を脱ぐ。
長い黒髪に似合った細くて白い身体のライン。
戦用の着物を着る。
髪を高い位置で結び、刀を二本腰にさす。
そして、ふすまを開けて叫ぶ。
「皆の者!出陣じゃぁ!!位置につけ!!」
その一言で、家臣や兵は戦に出かける。
私も、行かなければ。