沿道の果てから
――養老――

未だ来ず

熊谷は、目的の場所にいた。

「徳富 伝三」

あっさり断られるかと思えば、その様な事も無かった。

むしろ、すんなり受け入れられた感じがあった。

徳富を車に乗せ、自課の会議室まで
連れて行く。

会議室に行くまで、同課の人間に
自分がどう映ったのかは 定かでは無い。

だが、口々に非難の言葉を口走っている事くらいは
容易に想像が出来た。

誰もいないと知りながら、会議室のドアを軽く叩く。
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