沿道の果てから
「失礼します」

そんな通過儀礼を果たす。

中は、なかなかどうして広いもので
床は、オフィスのそれとは違い

柔らかい絨毯を敷き詰めた様な、
リラックスのしやすい床で

一面が白、と衛生が保たれている。

そしてホワイトボードが正面に、
仁王立ちしており

そこから半歩下がると、不細工な楕円形に 机が一続きに
並んでおり

椅子が騒がしく、それに沿って並んでいる。

「さぁ、御掛け下さい」
と 熊谷はなるべく
柔らかい口調で
そう言った。
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