あなたの唄。
――今日もききにきた。
だけど、今日はなんだか違った。
あなたの声がいつも以上に切なかった。
それに普段はあまり喋らないあなたが、今日は喋った。
「今日は新曲を唄います。
この曲は、僕の大切な、とても大切な人のことを思ってつくりました。
それでは、きいてください。“キミに”」
そういってあなたはゆっくりとギターをひきだした。
ゆったりとしたメロディで静かに、あなたは息を吸って唄いだした。