いちご大福
気持ち悪い…
吐き気とダルさで目が覚めた
重いまぶたを開けると自分の部屋だった
あのまま公園で寝ちゃったはずなんだけど
朝になってるし
部屋にいるし
なんで?
――――♪♪♪
ケータイのアラームがなった
とりあえず学校、行かなきゃだよね…
祐也と希美は私が見てたこと気づいてないみたいだけど
私は普通にいられない気がする
でも、私の思い過ごしかもしれないし
ちゃんと確かめなくちゃ
ベットから降りて、リビングに行くとお母さんが駆け寄ってきた
「ネオン!!?大丈夫なの?!!学校行くの?!!」
「うん…大丈夫。て言うか、家に戻ってきた記憶がないんだけど」
「啓くんがおぶってきてくれたのよ。起きたら病院に連れていってくれって」
――――?!!
啓がおぶってきてくれた?!
「啓が?」
「懐かしかったわ~。大きくなってて、かっこよくなっちゃって。」
お母さんはなぜかうっとり顔
まあ顔だけはいいからなぁ
「今日位は休んだら?学校で倒れちゃうわよ?」
相変わらずお母さんは心配性だ
「最近は体調いいから大丈夫だって。しかも、勉強ついてけなくなるし」
心配するお母さんを横目に、着替えて家を出た
希美、来るよね…
何だか落ち着かない
心臓に悪そう…
玄関の前でうろうろしていると希美が来た
「おはよー♪ネオーン」
「おはよぅ。希美」
ヤバイ、今の挨拶だけで温度差が…
すぐに顔に出てしまう自分の性格が恨めしい
「ネオン?!顔色悪いよ!大丈夫?」
希美も心配性なんだった…
「大丈夫。行こ」
うまく希美の目を見られない
希美はいつものように他愛もない話を振りかけてくる
でも、冷たい返事しかできない
結局ほとんど会話なく学校についた
啓と祐也が先についていた
「おはよーネオン」
祐也が席に来た
好きなのに、好きなはずなのに
今はときめいたり、しない
「大丈夫か?具合悪い?」
なんかもう
どうでもよかったのかも
「大丈夫だから。ほっといて」
「え…?」
不意を突かれたかのような顔になった
心も心臓も痛い
「ホームルーム始めるぞ~。席つけ~」
先生が入ってきてみんな席につき始めた
「無理すんなよ」
祐也は席に戻っていった
後味悪いよ…
でも、祐也も悪いじゃん
ごちゃごちゃ考えてると頭痛が酷くなってきた
何もかも、祐也のせいだもん
今はその事に責任を擦り付けたかった
甘えていたかった