いちご大福
啓は静かに病室に入ってきた
「すぐ戻って来るってさ、蓮」
啓は私のベットの脇の椅子に座った
「友達なの?蓮お兄ちゃんと」
「お互い病院の息子だからな。パーティーとかで会ったりしてたんだよ。」
「そうなんだ…」
あ、そうか
病院を継ぐためにお医者さんの勉強してるんだ
みんなの前じゃそんな素振りも見せないくせに…
「祐也が何回も来てたの覚えてない?」
啓が天井の隅を見ながら聞いてきた
「へ?どこに?」
「この病室に。5日間ずっと眠り続けてたんだよ、ネオン。」
5日?!!ちょっ…
「5日間も?!ごめ…全然覚えてないゎ」
「そりゃそうだよな。気い失ってたわけだし…」
「うん…でも、なんでそんなこと聞いたの?覚えてるわけないって啓、わかってたでしょ?」
啓はしばらく間をおいて話し始めた
「…ネオンがあの日空き地で倒れたのは覚えてる?」
「うん…なんとなく」
「それから病院に搬送されて、5日間ずっと危ない状態だったんだけど。3日目の朝に祐也と希美と俺でここに来た時に…」