いちご大福
啓はいきなり叫び出した
「けい?!!どうし…」
「お前口硬かったっけ?」
「え…あ、まぁうん…」
なんでこんなこと聞くんだろう
「希美と祐也が一緒にいたのはお前の誕生日のサプライズ考えてやるためなんだよ。祐也が希美にアドバイスして欲しいって言ったんだ。」
「え…?」
こんなこと言われると思ってなくてどうリアクションしていいのかわからない
啓はバツの悪そうな表情だ
「でもさっ!」
引っかかる点がひとつある
「なんで手をつないでたのよ。そんな必要ないじゃん」
「あれはさりげない指輪の渡し方のレクチャーらしい…ってか!言ったら意味ないじゃん…」
啓は頭を抱え始めた
あー聞いちゃダメだったんだー(笑)
「ごめんごめん(笑)でも、全部私の勘違いだったってことだね…」
どうしよう
祐也にも希美にも悪いことしちゃったな…
―――ガラガラッ!!!
部屋のドアが勢い良く開いた
「ごめん、もう終わったから」
そう言いながら蓮お兄ちゃんが息を切らせて入ってきた
「じゃ、俺行くわ」
「啓、助かった。気をつけて帰れよ」
「ん。」
私は立ち上がった啓のシャツの裾を引っ張った
「なに。」
「あ、ありがと・・・」
「どういたしましてっ。」
いつもどおり啓はそっけなく帰っていった