いちご大福
「こんにーちわっ。蓮は絶賛ドS営業中だねー」
その声の主はするすると細い体をあやつって病室に滑り込んできた
「誠・・・なんでいるんだよ」
そう。声の主は保健室の先生である青木誠先生
いつもの白衣ではなく爽やかな色みの水色のシャツに
薄手のロングカーディガンを羽織っている
「なんでって、ネオンちゃんが目覚ましたって聞いたからかけつけてきたんだよー」
嘘丸出しのイントネーションで先生は答えた
「嘘つけ。今日ここで学会でもあったからついでに来たんだろ」
「おっ、さすが蓮。勘が鋭いねー」
てきとーだな・・・この人
呆れていると、先生はちょこんとベットのふちにこしかけた
「ネオンちゃん。またちょっと痩せた?」
先生は躊躇なく私の顔に手を添えてきた
細長い指で
まるで雪に触れるように
繊細な触れ方
「3秒以内にその手を離さなければその綺麗な顔がなくなると思え」
蓮お兄ちゃんは先生の服をすごい形相で掴んでいる
「わかったよ。わーかったから!!ごめんって!!」
先生はすっと立ち上がり降参のポーズをした
「ったく・・・誠!!ネオン免疫力落ちてんだから気安く近づくな!!」
「ひどいなー。俺はバイキン扱いー?ww」
「別にいいんじゃない?先生にいてもらっても。せっかく来てもらったみたいだし」
まぁ学会とかなんとかのついでなんだろうけど
蓮お兄ちゃんと二人っていうのも淡々とお説教くらうだけだろうし苦笑
「いや、ネオンが良くても体はまだ回復しきってないし、こんなせわしない奴がいたら何もまともにできないんだよ。」
「えー!!ネオンちゃんいいって言ってくれたのにー!」