いちご大福








***蓮side



「あ、ちょ…」


今度はふわっと、でも離せないように


腕を掴んで処置室に連れてきた



「ほんとにだいじょ…」


――――――ツンッ


「ひゃぁっ!!!いった…」


消毒液を含ませた綿糸で傷を直撃すると


悲鳴をあげられてしまった


「ほら、痛いけど我慢して」



「そんな子供みたいになだめないでください…!」



「ごめんごめん笑」


真美さんは頬をふくらませて怒っている


「はい、できた」


「ありがとうございます…


こんなにご丁寧にしてもらっちゃって…」


真美さんは芸術作品でも見るかのように


手当てされた腕を見ている



「上手なんですねっ!」



満面の笑みで返された


きゅん。


なんだろう

こんなの反則だ



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