いちご大福
「蓮お兄ちゃんだったんだ…」
そう言われてみればそうかもしれないと思えてきた
あの頃から顔立ちだけは無駄に良かったし
変わったことと言えば、背が伸びたことだけだ
でも、ひとつ引っかかることがある
「よく医者になれたね~。頭悪かったじゃん?笑 」
あの頃からは医者なんて考えられない
バカなのが取り柄って言っていたのに
「失礼なやつだな。俺だってやれば出来るんだよ」
そんなもんなんだろうか…
医者って…
「ふぅーん…。で、いつ帰っていいの?」
「まだ心拍数が落ち着いてないから今日は入院だな」
「うそだー。さいあく…」
これで何度目だろぅ。
せっかく学校に慣れてきたのに…
またいちからやり直し
もういやだ
「すぐ退院できるから。おとなしくしてろ」
頭にぽんと手を置いてきた
「もぅ。小学生じゃないんだからね」
「そうだったっけ?小さいまんまだと思うけど(笑)」
なんだかこんなやりとりしてると昔に戻ったみたい
「ネオンちゃん。一緒に病室までいこっか!」
仲良しの看護婦さんの真美ちゃんが顔を出した
「待って。俺が行くわ」
「なんで!せっかく真美ちゃんが来てくれたのに…」
「黙ってろ。すまないけど。俺時間あるから」
「分かりました。また明日ねネオンちゃん!」
「ごめんね。ばいばーい」
どうしてこうも強引なんだろう…
まぁ昔からだけど
「行くぞ」
「あ!待ってよ!!」