いちご大福






「蓮お兄ちゃんだったんだ…」


そう言われてみればそうかもしれないと思えてきた


あの頃から顔立ちだけは無駄に良かったし


変わったことと言えば、背が伸びたことだけだ


でも、ひとつ引っかかることがある



「よく医者になれたね~。頭悪かったじゃん?笑 」



あの頃からは医者なんて考えられない


バカなのが取り柄って言っていたのに



「失礼なやつだな。俺だってやれば出来るんだよ」



そんなもんなんだろうか…


医者って…


「ふぅーん…。で、いつ帰っていいの?」



「まだ心拍数が落ち着いてないから今日は入院だな」



「うそだー。さいあく…」



これで何度目だろぅ。



せっかく学校に慣れてきたのに…



またいちからやり直し


もういやだ



「すぐ退院できるから。おとなしくしてろ」



頭にぽんと手を置いてきた



「もぅ。小学生じゃないんだからね」



「そうだったっけ?小さいまんまだと思うけど(笑)」


なんだかこんなやりとりしてると昔に戻ったみたい



「ネオンちゃん。一緒に病室までいこっか!」



仲良しの看護婦さんの真美ちゃんが顔を出した



「待って。俺が行くわ」


「なんで!せっかく真美ちゃんが来てくれたのに…」



「黙ってろ。すまないけど。俺時間あるから」



「分かりました。また明日ねネオンちゃん!」




「ごめんね。ばいばーい」


どうしてこうも強引なんだろう…



まぁ昔からだけど



「行くぞ」



「あ!待ってよ!!」














< 6 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop