空の果てへ
「・・・失礼します」
頭を下げ、僕は副長の部屋を後にした。
そのまま台所に向かい、薬と水を準備する。
あぁ、きっと。
こんな風に出来るのも、あと少しなのだろう。
こうして、台所に向かっていられるのも、水を汲んでいられるのも。
あと少しの、貴重な時間なんだろう。
だって、未来は血塗られているだろうから。
睦月さんが残したあの紙束には、その出来事が書いてあるのだろう。
いつも、一条さんが切なそうに・・・強い、決意を秘めた目で見ていたから。
正直・・・正直な話。