空の果てへ


ガラッと一条さんが眠っている、部屋の襖をあける。


そこには、やっぱり目を閉じたままの一条さん。


手首には、包帯が巻かれている。


頬にある、涙の痕。



「一条さん・・・なんで、あなたは誰にも相談しなかったんです・・・?」



ぽつり、と零した。


この人が、誰かに頼っている姿なんて見たことが無かった。


悩んでいる姿も、ぜんぜん。


そっと、畳の筋を指でなぞる。



「・・・い、ちむ・・・ら?」
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