空の果てへ
「なぁ、玖於。おめぇだけは、死ぬな」
何か、感情を押し殺したような声で、土方さんは俺に言った。
まるで、不安に押し潰されそうになっているような。
自分を、責めているような。
そんな感じだった。
土方さんが思いつめている間にも、事はちゃくちゃくと進んでいる。
俺達の周りも。
運命の歯車も。
全て、少しずつ変わっていっていた。
『――――俺の命は、会津と共に』
真夏に咲く、桜のように。
皆、命を咲かせ、そして散らせていった。
これは、斎藤一という新撰組の心の支えを失った。
そんな暑かった夏の、一記録。