空の果てへ


きっと・・・土方さんは、気付いているのだろう。


これから先、時代の流れに押されていくであろう俺達の未来が。


明るく澄んでいる青空。


いつもは、大好きなこの空が・・・この時ばかりは憎らしかった。


平和そうで、明るくて。


どうして、俺たちは赤いのか。


浅葱色の俺達なのに、どうして未来は血色なのか。


睦月。


君なら・・・知っているのか?


どうしたら、誰も悲しまないのか。


俺には、どうしても分からなかった。


船に乗り移った時、こう思った。



『ああ、もう逃げられないんだ』って。


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