空の果てへ
「一条さん、副長の呼び出しはいいんですか?」
夕餉を食べ終え、ぼんやりとしていた俺に市村が声を掛けてきた。
夕暮れ時、空は橙色から紺色までの淡い色へと、変わっている。
いつまで、見ていられるのだろうか。
いつまで、こうしていられるのだろうか。
いつまで・・・生きていられるのだろうか。
「あぁ、すぐ行く」
大好きな時間には、もう。
限りがあると、俺が気付いたのはこの瞬間だった。
ヒグラシが、物悲しくなく空に。
一番星が輝き始めた。
睦月、藤堂さん、沖田さん・・・皆。
見てますか?生きている、俺達を。