空の果てへ
だけど、もうそれも言ってはいられない。
「じゃあさ、人が死ぬ瞬間、看取れるんだね?」
ニヤリ、と笑い詰め寄る。
睦月は、いつだって覚悟してたよ?
自分が死ぬ瞬間も、藤堂さんが暗殺される瞬間も。
それも全部、受け止めてさ。
それが、君には出来るの?
「・・・!!もう、いい!!」
ドッと、床に包丁が突き刺さる。
見事に、垂直に。
そして、嵐は過ぎ去った。
ホゥッ、と胸を撫で下ろす市村に見えないように、手を後ろに隠した。