空の果てへ


だけど、もうそれも言ってはいられない。



「じゃあさ、人が死ぬ瞬間、看取れるんだね?」



ニヤリ、と笑い詰め寄る。


睦月は、いつだって覚悟してたよ?


自分が死ぬ瞬間も、藤堂さんが暗殺される瞬間も。


それも全部、受け止めてさ。


それが、君には出来るの?



「・・・!!もう、いい!!」



ドッと、床に包丁が突き刺さる。


見事に、垂直に。


そして、嵐は過ぎ去った。


ホゥッ、と胸を撫で下ろす市村に見えないように、手を後ろに隠した。



< 136 / 221 >

この作品をシェア

pagetop