空の果てへ
もう、紅葉が色づいて来た頃、俺達は蝦夷地へと到着した。
京の秋とは違う。
新鮮なようで、妙に空しかった。
ここが、最後の決戦地。
寒々しい色の空に、自分の気持ちが映る。
「玖於、今日言うから」
港に降り立った瞬間、土方さんは俺の耳元で呟いた。
それに返事はせず、小さく頷いた。
俺達二人の変な姿に気を止めず、先を歩いていく市村。
本当は、もっと早くに言うつもりだったらしい。
そうしないと、危険が及ぶからだ。
だけど――――
土方さんも、出来るだけ市村が逃げやすい環境を作ろうとしたのだろう。