空の果てへ
雪なんて、もう嫌いだ。
そう思ったのは、いつのことだろう?
だって、この雪のせいで何人の仲間が死んだか。
ただの、殺戮者だ。
そうだな・・・早く、この戦を終わらせて。
「早く・・・京に帰りたい」
ポツリ、と土方さんの横で漏らした。
洋装に身を包んだ土方さんは、あの綺麗に伸びた髪も切ってしまった。
そう、拳を握り締め俯く俺の頭を、ポンッと叩く。
見上げると、土方さんは悲しそうに笑っていた。
まるで、全てを諦めているような・・・全て、分かっているような。
「・・・俺も、この雪だけは勘弁したい」