空の果てへ


雪なんて、もう嫌いだ。


そう思ったのは、いつのことだろう?


だって、この雪のせいで何人の仲間が死んだか。


ただの、殺戮者だ。


そうだな・・・早く、この戦を終わらせて。



「早く・・・京に帰りたい」



ポツリ、と土方さんの横で漏らした。


洋装に身を包んだ土方さんは、あの綺麗に伸びた髪も切ってしまった。


そう、拳を握り締め俯く俺の頭を、ポンッと叩く。


見上げると、土方さんは悲しそうに笑っていた。


まるで、全てを諦めているような・・・全て、分かっているような。



「・・・俺も、この雪だけは勘弁したい」



< 159 / 221 >

この作品をシェア

pagetop