空の果てへ


蝦夷の春は遅い。


三月になっても、雪が止むことは無かった。


・・・ましにはなっているが。


官軍の進撃は止まらない。


もう、限界だった。


今、俺たちがいる館の中は――――


夕方ということだけではなく、薄暗かった。


皆の、気持ちが表れているようで。


何というか・・・土方さんと同じ、諦めているような感じだった。


とはいっても、俺の感覚だけれど。


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