空の果てへ
「はぁ・・・今、何処にいるんだろう?」
手のひらに付いた、枯れた梅の花を払う。
どうして、送り出してしまったんだろう?
大好きな人を、愛しい人を。
死に場所を求めていた・・・あの人を。
どうして、見送ってしまったのだろう?
後悔ばかりが募っていった。
「歳さん、約束・・・守ってますよね・・・」
そう、疑わずにはいられなかった。
あの人が、破るわけない。
無駄に真っ直ぐで、無駄に正直な歳さんが・・・
生きて、帰って来ないわけが無い。