空の果てへ
「柚さ~ん、文が届いてますよ~」
近くに住む、男の子が白い文を持って門前に立っていた。
私に、身内はいない。
一人娘だった私だけど、父様も母様も労咳で数年前に亡くなった。
そんな時だ。
私が、歳さんに出会ったのは。
「いつもありがとうね」
「いえいえ、じゃ!!」
こんな時でも、走り回る元気な男の子。
そんな姿を見て、口元が緩んだ。
だけど・・・誰からだろう、と文を開けた瞬間。
体が強張るのを感じた。