空の果てへ
「いやぁぁぁぁぁっ!!」
グシャリ、と戦死報告を握り潰す。
涙が、地面に痕を作った。
どうして、あの時・・・彼を止めなかったんだろう。
『行っちゃ、駄目』って。
グニャリと歪んでいく視界に、なぜか残っている、一輪だけのこった梅が映る。
私は、ただの最低な女だ。
恋人を、戦場に送るなんて。
ただの、人殺しだ。
「・・・っぅ、やだ、よ・・・歳さん・・・っ」
私を、一人にしないで・・・
置いて往かないで・・・歳さん。
私はただ、戦死報告書を握り締め、泣き続けていた。
空から届いた便りは、今までで何よりも悲しいものでした。
*神楽 柚side end.*