空の果てへ


「ぜってぇに、死ぬんじゃねぇっ!分かったな!?」


目に涙を湛えながら、俺をもう一度馬の背に乗せる。



「は、い」



俺は、必死に笑おうとした。


でも、上手く笑えない。


随分と、弱々しかった笑いだったことだろう。


死にたくはない。


けれど・・・道のりによっては、きついかもしれないな。


きっと、土方さんもそう思っているに違いない。


だって・・・・こんなに焦っている表情をしているのは、滅多に無い事だから。



「今はたぶん、京の少し手前だ。

もうじきだからな!?」



そう、もの凄いスピードで走り出した馬の背で、土方さんは叫ぶ。






< 190 / 221 >

この作品をシェア

pagetop