空の果てへ
「君・・・歳三の・・・?」
「は、い!!副長の命により、これを届けに参りました・・・っ」
僕の足音に気付いた人影が、僕に近寄る。
この人は・・・副長の親戚の方だろうか?
もつれそうになる足を、必死に動かし歩み寄る。
そっと、握り締めていた物を手渡す。
近藤さんがそれを受け取ると同時に、僕は地面に崩れ落ちた。
「・・・市村君と言ったかな?さぁ、中にお入り」
僕の肩を支え、中へと招き入れてくれる。
なんで・・・?
僕は、副長を置いて逃げてきたも同然なのに。