空の果てへ
「歳三も・・・こんな少年に慕われる、立派な男になったんだな」
嬉しそうに呟く、近藤さん。
そっと、遺髪と遺影を棚の上に飾る。
それを、ぼんやりと眺めていた。
あぁ、これで終わったんだ。
・・・そう、思った。
『ザァァァァァァァァァァ』
外で、雨が降る音が聞こえてくる。
たった今、降り出したのだろう。
まるで、僕の涙みたいだった。
僕は、フラフラと外に出る。
身体が雨で、濡れていくのなんて気にならなかった。