空の果てへ
随分と、長い永い夢を見ていた気がする。
新撰組との出会い、刀を振り回したあの日々、戦に巻き込まれる毎日。
人々との死別なんて、日常茶飯事で・・・
平成から来た俺には、到底考えられなかった毎日。
でも、それは確かに存在していた。
初めは、夢かと思っていた。
でも、夢じゃなかった。
長いこと閉じていた、重たい瞼を開く。
「・・・玖於!?」
動かない身体から、首と目だけを動かして、その声の持ち主を探す。
そこには、顔を泣きそうに歪ませた土方さんの姿があった。
『土方さん』
そう、声に出そうにもパクパクと口が動くだけで、息が漏れていくだけ。