空の果てへ
鬼の副長も、この人には頭が上がらないらしい。
「体のお加減はどうです?」
「大丈夫です。でも・・・やっぱり、左腕が無いと不便ですね」
水と薬を飲み、やっと喋れるようになってきた。
この人こそが、土方さんの恋人の神楽さん。
もう一度、布団に戻った俺の横で、楽しそうに土方さんを話している。
幸せそうな、二人。
きっと、この二人は幸せになるだろう。
睦月と、藤堂さんとは反対の方で。
今頃、市村はどうしているだろう。
斎藤さんは?
結局、旧幕府軍がどうなったのか・・・俺には、分からなかった。
誰が生きて、誰が死んでいったのか。
――――何も、分からない。