空の果てへ


鬼の副長も、この人には頭が上がらないらしい。



「体のお加減はどうです?」


「大丈夫です。でも・・・やっぱり、左腕が無いと不便ですね」



水と薬を飲み、やっと喋れるようになってきた。


この人こそが、土方さんの恋人の神楽さん。


もう一度、布団に戻った俺の横で、楽しそうに土方さんを話している。


幸せそうな、二人。


きっと、この二人は幸せになるだろう。


睦月と、藤堂さんとは反対の方で。



今頃、市村はどうしているだろう。


斎藤さんは?


結局、旧幕府軍がどうなったのか・・・俺には、分からなかった。


誰が生きて、誰が死んでいったのか。


――――何も、分からない。

< 207 / 221 >

この作品をシェア

pagetop