空の果てへ


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「鉄?・・・鉄っ!!」


あれから、俺と土方さんは市村の実家を訪れていた。


人の気配が無い家の中で、市村は一人、布団で眠っていた。


痩せた、小さな体。落ち窪んだ目。


でも・・・



「何で・・・笑ってるんだよ・・・鉄っ」



目を覆い、座り込む土方さん。


市村は、きっと苦しかったはずだ。


なのに・・・微笑んで、あの日みたいに・・・陽だまりの様な笑顔で。


眠るように死んでいた。


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