空の果てへ


『沖田さんが、亡くなった』


その知らせを俺達が受け取ったのは、梅雨も明けた清々しい朝のことだった。


それを伝えに来た誠君は、前に見た時よりも・・・


幾分も痩せているようだった。


頬はこけ、白くなった顔。


だけど・・・目には、悲しみを湛えているものの、強い光があった。



「総兄は・・・刀が握れない、と泣いていました。


だけど――――最後まで、周りの心配をしている人でした・・・」



そう話した誠君の顔は、泣き出しそうに歪んでいた。

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