空の果てへ


うん、自分でも言っていることがおかしいと分かる。


手に小刀握ってるのに、勝手にって・・・


目を開けると、ぼんやりと霞んだ鉄之助君の姿。


怒ったような、心配しているような・・・


厳しい表情をしている。


ビリッと自分の羽織の袖を縦に裂き、俺の手首に巻こうとする。



「・・・止めろ」


「何言ってんですか!!」


「だから・・・放っておいてくれ」

< 89 / 221 >

この作品をシェア

pagetop