空の果てへ


俺は、力の入らない腕で鉄之助君の体を突き飛ばた。


そして、そのまま駆け足で部屋を出る。


手首からは、未だに鮮血が流れていた。


なぜか、意識ははっきりとしていた。


自分でも、驚くくらいに。


柱にもたれ、ボゥッとしていると、背後に人の気配がした。


振り向くと、息を切らした鉄之助君と土方さんの姿。


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