†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


恐る恐る、顔を上げると

ますます不機嫌になった顔があり、私を見下ろしていた。




「行くのか、行かないのか。どっちだ?」

「い、行く。」




思わず、冬夜のシャツを掴んでいた。

すると頭の上の大きな手が降りてきて、クシャッと撫でる。

冬夜の目が、ほんの少しだけど優しくなったような気がした。




「行くぞ。」




ふわっと体が浮いたかと思うと

冬夜が私を横抱きにしていて、スッと宙に浮きあがった。




「う、ひゃっ。」




冬夜の顔が、近いっ。

距離を取るように、腕をつっぱていると冬夜に「落ちるぞ。」と

冷たく言われてしまった。


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